(投稿前に、内容をプレビューして確認できます)

2024年1月稽古場日誌

  • 快斗
  • 2024/02/21 (Wed) 10:21:16
初めに、令和6年1月1日の能登半島地震によってお亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表するとともに、様々な形で被害に遭われている皆様が1日でも早く心の平穏を取り戻せるよう、心より祈っております。


どーも、快斗です。ご無沙汰してました。

昨年12月に、NPO法人Inseki Projectさんの福島上演があり、隕石のかけらのメンバーもそちらに参加させていただいておりました。

今回上演した作品は、コロナ禍のため2019年度にプロジェクト半ばで延期になってしまった作品を、改めて作り直し再演する、というものでした。

この3年半の間は、劇団としても外部に向けての公演は行わず、いつか再開する時のために今出来る事をやるという想いでそれぞれの団員が地道な稽古やさまざまな経験を積み上げてきました。

また、そんな状況下でありながらも頼もしい新メンバーも続々加入してきており、更にパワーアップした隕石のかけらとして、福島の地に再び演劇を届けられる!という事で非常に感慨深いものがありました。

とはいえ、楽しんでもらえる作品をお届けしなければ意味がないので、皆で厳しい稽古の日々を耐え忍び、なんとか無事に作品を再びお披露目する事ができました。

久々の訪問にもかかわらず、上演先の方々には温かく出迎えていただき、観劇してくれた子ども達も以前にも増して力いっぱいの声援を送ってくれました。

子ども達の大声援を聴きながらホッとするのと同時に、やはりこのコロナ禍の中で色々と我慢せざるを得ない事がたくさんあって、そういう目に見えない鬱屈としたものが、この大きな声援になっているのかなあなんて事を感じたりもしました。

予想だにしない様々な事が起こり続けるこの世の中で、役者に何ができるのか、自問自答し続ける日々ですが、まずは、少しでも楽しい時間を過ごして貰えるよう、そして願わくば希望を持って過ごしていけるようにと祈りを込めながら、目の前の作品に今出来る最大限を注ぎこんでいきます。

2023年もありがとうございました。

  • 制作部
  • 2023/12/31 (Sun) 21:31:30

制作部です。


コロナ禍の明けた年の瀬、皆さま、いかがお過ごしでしょうか?

劇団「隕石のかけら」も、今年は新メンバーも入り、関係団体NPO法人Inseki Projectさんは活動を再開し、久しぶりの本番舞台を経験できました。

振り返ると、めまぐるしい一年だったと思います。

1月は、一部メンバーが映像の小作品に出演、2月3月は、NPO法人Inseki Projectさんの絵本の読み聞かせプロジェクトに一部メンバーが参加、春から秋にかけては、本番公演を見据えた発表稽古、そして、12月はNPO法人Inseki Projectさんの福島上演に参加…と、駆け抜けてきました。

来る2024年は、2月末の福島上演からスタートになります。

劇団員一同、1人1人が、そして劇団としても、さらなる飛躍の年になるよう、ひとつひとつに真摯に向き合い、ステップアップしていきたいと思います!!

来年も、劇団「隕石のかけら」をどうぞよろしくお願いいたします。

そして、皆さまにとっても、佳い一年になりますことをお祈り申し上げます。

2023年12月稽古場日誌

  • しょうこ
  • 2023/12/21 (Thu) 17:10:05

長らく長らくご無沙汰しており、大変申し訳ありません!!

しょうこです。

実は、劇団HPをちょっとずつ見直しているそうでして、稽古場日誌の方も内容をリニューアル?するとのことで、期間が空いてしまっていました~。

…というところに、関係団体のNPO法人Inseki Projectさまが福島県での演劇上演を今年度再開する!!ということで、劇団にもお声がかかり、一気に慌ただしくなり、なんと、今、久々の福島上演、第1回目が終わったところであります~。

また2回目がすぐあるので、くわしくはそちらが終わってからになるかと思いますが…。

今年新しく入った劇団メンバーも、今回、ほとんどが福島上演に参加することになって、本番のための稽古、会場での舞台セッティング、本番…と、一緒にやってきました。

初めて本番公演を経験するメンバーもいて、慣れないことも多くて本当に大変だったと思うのですが、さすがワカモノ達で、個々に、どんどんいろいろなことを吸収して、成長していっているようにおもいます!

自分の目の前にあることに、純粋に真摯に向きあう姿には、私自身、刺激も受け、「私もやらねば!」と鼓舞される感があります!!

そんなメンバーでお送りする、今回の福島上演につきましては、また改めて、本番レポートをお届けする予定でーす。

どうぞ、お楽しみに!!
しょうこでした。

2022年12月稽古場日誌

  • しょうこ
  • 2023/01/01 (Sun) 19:44:47
しょうこです。

毎年のことですが、年末が来ると、「あっという間だったなぁ」と先ず思います。

が、2022年は、劇団として非常に長く感じる一年でした。

ちょこっと去年の12月の稽古場日誌を見てみると、同じようなことを書いていましたが(笑)、今年はより変化に富み、いろいろなことがあり、少しですが前に進めた一年になった感があります。

振り返ると…

今年の前半はコロナウィルス感染が収束に向かっていくのではという兆しが見え、今年度は何らかの形で活動を再開しようと決めましたが、結局、第七波の到来であきらめることになりました。

ですが、劇団の活動がないことで、外部出演の機会が増え、6~7月には劇団メンバーの南部が内野聖陽さん主演の舞台にアンサンブルダンサーとして出演させて頂きました。

劇団内でもコロナ禍の中、少しずつ新しいメンバーが入ってきました。

本番の予定が立たないため、いつもの稽古を充実させたいと、基礎コースの方でミニ本番的な発表会にチャレンジしました。

そして、年末ぎりぎりに、NPO法人Inseki Projectさんの福島県での活動再開が決まりそうだとの知らせも入ってきました。

今回は小さな形なので、劇団との関わりはまだ未定ですが、2023年4月以降に以前のスタイルでの演劇上演の可能性もあるようです。

今年も本番舞台はなく、何よりも感染予防対策を優先する稽古の中で、劇団メンバー全員が、少しでも前に進みたいと、自身の成長に向けて、稽古に取り組んできたと思います。

その努力にきちんと結果を出して、さらに前に進むためにも、来年こそは、新型コロナウィルス感染症の終息を心より願ってやみません。

私自身は、自分にも劇団メンバー一人一人とも、きちんと向き合うことのできた一年となりました。

それでは、皆さま、よいお年をお迎えくださいませ。

しょうこでした!!

2022年11月稽古場日誌

  • 大介
  • 2023/01/01 (Sun) 16:03:11
お久しぶりです。
大介です。

今回の稽古場日誌は、お題を頂戴いたしまして、野外稽古について書かせて頂きたいと思います。

野外稽古というのは、日曜稽古の中で不定期にやっている稽古で、野外でやるため、寒い時期はあまりやりません。

自分は、この野外稽古が結構好きです。

いつも稽古場でやっている日曜稽古とは、またちがう体力を使うんですが、足場は危なっかしい時もありますが、基本的に歩いたり、時には走ったり…という形なので、自分が歩くのが好きだから、ということもあると思います。

あと、この野外稽古で何よりも注意しなければならないのが、安全です。

足場がよくない場合もあるので、バランスもとらなくてはならないですし、危なそうだと思ったら、大丈夫そうなルートを探したりするなどして、絶対に自分で自分の安全を確保しなければいけません。

また、見かけによらず(笑)、花や植物が好きなので、野外稽古ではそれも楽しみだったりします。

ふだんの稽古では、バランスだったりも日によって調子がちがったり、難しさを感じることもありますが、野外稽古では、ふだんの稽古が自ずと活きるというか、不安定な姿勢や足場になると、身体が自然にバランスをとってくれている気がします。

今月もおそらく今年度最後の野外稽古があり、またしばらく野外稽古はお休みになるとおもうので、逆に、ふだんの稽古に野外稽古で出来ていることを活かしていければと思います。

大介でした!

2022年10月稽古場日誌

  • 快斗
  • 2023/01/01 (Sun) 15:57:46
どーも、快斗です。
今回は実戦コースについてです!

この日の稽古は、新登場の主宰考案オリジナルメニューを行いました!

実戦コースの稽古は、主宰オリジナルメニューがほとんどですが、他で聞いたことが無いようなメニューばかりなので、初めて聞く時は皆「???」という感じになっています。

なんだそりゃ??どうやるんだ??とか思いながらも行う1発目は、自分の引き出しの中身と瞬発力が試されている気がしてとても刺激的です。

現場で「あなたは何ができますか」と問われている状況と同じだと思うので、これは勝負だと思い、挑んでいます。

ほとんど家に帰ってから「こうもできた、ああもできた」と思ったり他の人のを見て、「そんなやり方があったか」と気づいたりすることばかりで情けないですがめげずに立ち向かっていきたいと思います。

少なくとも自分の引き出しにあるものは、瞬時に取り出せるようになりたいと思う今日このごろです。

ではまた!

2022年9月稽古場日誌

  • 快斗
  • 2022/12/31 (Sat) 21:49:11
どーも、快斗です。

ふと気がつくと最近、通常の稽古場日誌を久しく書いてないなあと思い、今回は久々に、初心に戻り普通の稽古場日誌を書こうと思います!

今回は基礎コース編、来月は実戦コース編を書こうかなあと思います。

基礎コースでは、木曜日の肉体訓練の中のメニューを行う事も多いのですが、日曜日は個人的に全身筋肉痛である事が多くて、そうなると身体を動かす感覚が木曜日とは変わってきます。

その中の自分の課題として、
感覚は違っても、クオリティを落とさず木曜日と同じ動きができるようにすること。
木曜日に得た気づきを、再確認すること。
そして更に新しい気づきを得られるようにすること、を掲げています。

なかなか思うようにいかない事も多いですが、実際本番の舞台が始まると、前日まで稽古で心身共に追い込んで、そのまま本番を何日もやる事ばかりなので、疲れた状態はむしろ本番に近い状態でできるチャンスと思い、頑張ります。

では、次回実戦コース編でお会いしましょう!

2022年8月稽古場日誌

  • しょうこ
  • 2022/12/31 (Sat) 17:58:50

しょうこです!
2ヶ月連続投稿です(笑)

稽古場レポート、実戦コース編をお届けいたします!

実戦コース稽古は、木曜夜の肉体訓練稽古と、日曜夜の通称“日曜稽古”の2つがあります。

肉体訓練稽古は役者だけでやっていて、その名のとおり、声も含む身体の訓練をする稽古です。

基本的なメニューは決まっていて、時間配分などを考えるキャストリーダーが進行していく形です。

基礎コースでも肉体訓練稽古メニューをだいたいやっているのですが、肉体訓練にしかないメニューもあったり、基礎コースよりもハードになっていたりします。

稽古内容は、基礎コースの延長線上にある感じなので、各々がこれまで積み重ねてきたものを自分なりに、新たな挑戦をしたり、日によって違う自分の身体の調整をしてのぞむ場になっていると思います。

もう1つの日曜稽古は、劇団代表が担当している稽古です。
内容はさまざまですが、身体や感覚の訓練や台本…などなどです。

他の稽古とちがうのは、代表がみるということで、基本的にその日に何をやるかは始まるまでわからず、体力的に苛酷な場合があったり、毎回自身の身体のどこを使うか見当がつかない…といったところでしょうか(笑)

その意味では、他の稽古とは異なる種類の緊張感があるようにおもいます。

基礎コースや肉体訓練は自分に集中できますが、日曜稽古だと、集中することの上をいって、余裕を求められている…のだと思うのですが、必死にやっている合間に代表に話しかけられたりもするので、雰囲気的には賑やかなのかもしれません(笑)

あと、劇団稽古としては、他に野外稽古や映像コース稽古などもあるのですが、長くなってしまうこともあり、また別の機会にお伝えできればなぁと思いまーす。

しょうこでした!!

2022年7月稽古場日誌

  • しょうこ
  • 2022/12/31 (Sat) 16:44:53
※制作部より
稽古場日誌のアップが大幅に遅れ、申し訳ありません!!この後、2022年分を連続投稿させて頂く予定です。

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しょうこです!

今回の稽古場日誌は、実際にこんな感じで稽古をしていますというところをレポートしたいと思います!!

劇団「隕石のかけら」の稽古は、2つのコースがあるので、まずは、基礎コースの方からお伝えいたします。

基礎コースは、基本的に日曜日の13:00から17:00までやっています。(時々、22:00までのロングコースもあります~。)

劇団員全員が参加するため、一番人数が多い稽古です。

また、入団後は基礎コースから始めることになっていることもあり、その日によって、参加メンバーがけっこう違うというのも、特徴かもしれません。

皆、稽古場に到着したら、まず手洗いうがい&検温をして、全員集合したら、稽古スタートです。

稽古の内容は、前半はほぼ毎回決まっているメニュー(身体や声の鍛練)をやり、後半は、その日の参加メンバーにあわせて、台本をやったり、声を使うための稽古だったり、身体表現の稽古だったり…という感じです。

初参加のメンバーがいる時は、最初に皆で自己紹介をして、その後、稽古メニューを説明しながら、時間をかけて丁寧に進めていきます。

劇団「隕石のかけら」の稽古メニューは身体を使うものが多く、しかもできるようになるまで比較的時間を要するものが多い…かと思います。

それは、劇団の趣旨で、役や作品を表現する上で、役者は自分の身体や声を自在に使えることが必要だと考えているから、なのですが…。

そのために、ふだんはやらないような身体の使い方をすることになるので、最初のうちは、なかなか思うようにいかない場合もあります。

でも、無理に早くできるようにならなきゃと焦ることはなくて、稽古メニューをやっていくうちに、自分のよいところ弱いところを知っていって、皆だんだんと思うように動いていくようになりますし、その過程も役者にとってプラスになるものなので、特に最初は、まず《自分の身体と向き合う》ことを始められるよう、一緒にやっていく形です。

これが皆が慣れてくると、個々に自分に集中して稽古が進んでいくので、端からみると、地味で静かな稽古なのかもしれません(笑)

基礎コース稽古は、うちに入って、劇団員としてスタートする場所であるわけですが、基礎コース稽古を経ていくことで、演劇や役者に携わることの大変さや楽しさを、気負わず経験してもらって、役者として、本当のスタート地点に立てるような場所になればなぁと思って、皆さんと稽古をしています。

次回は、実戦コース編をお届けする予定です!
しょうこでした~。

2022年6月稽古場日誌

  • 大介
  • 2022/11/04 (Fri) 22:44:59
お久しぶりです。

大介です。

自分は歩くのが大好きです。

もちろんあまりにも、遠い場所であったり、時間が無いのであれば他の移動手段も使いますが、時間に余裕があり、自分の中で少しでも行けそうかなぁ?と思ったら、敢えて歩いたりします。

もちろん歩くこと自体が好きではあるんですが、健康管理と体力を維持するためにも役立ます。

道すがら、お店のショーウィンドウや、建物の窓ガラスに映った自分の姿を確認できたりもします。

歩いている時は、電車等とは違い、自分の好きなペースで進む事ができます。

そこそこ長い距離を歩いていると、歩く事に集中して全てから解放され無心になり、その後自分の身体と向き合ったり、身体のこと(細部の細かい所まで)考えたり…という時間が過ごせます。

そうして考えた事などを、稽古の中で試したり、気を付けようとしたり…とやっていくわけですが、これがなかなか上手くいかなかったり、思っていた感じとは違ったりする事があります。

何かを出来るようになるためには…その何かは、稽古のメニューであったり役であったり、どんな事でもそうだと思うのですが、やはり一朝一夕には行きません。

「何がどう出来ないのか?」とか、「なぜ出来ないのか?」とか、「どうすれば出来るようになるのか?」とか、そういった事をひとつひとつ、考えに・考えて・考えてみて、実行してみてみる。

それでも、うまくは行かない事は多々あります。

だからこそ、本当に出来るようになるところまでは、苦しくても、辛くても、頑張って地道にコツコツと積み上げて行くしかないという事です。

どんな事にも、楽ちんな近道なんてありません。

これからも、もっと前に向かって歩いていく為には、考えたり、学んだりすることが沢山あります。

更にネジを巻き直して、日々稽古と自分との闘いで、まだまだ頑張って行こうと思います。

ではではまた。

2022年5月稽古場日誌

  • 快斗
  • 2022/07/30 (Sat) 11:21:53
どうも、快斗です。

前回に引き続き、今回も、普段している稽古のこのメニューがこんな風に本番で活きてきた!という実例をいくつか書いていこうと思います。

(前回分を読んでない方はぜひそちらも一読ください(^^))

・メニューC

肉体訓練稽古のメニューで、一定の速度で動きながらお客様に対して見せるものを行うという稽古です。

身体の動きの鍛練にもなりますが、舞台上の空間に自分が生み出した世界が広がったり、稽古場内の空気が変わるのを感じられたりして、個人的に大好きなメニューの1つで、大切にしている稽古でもあります。

この稽古場日誌でも一度書かせてもらった舞台なんですが、中国の伝統芸能の京劇の小作品をいくつか上演するという公演で、僕は、そのうちの一つで主役をやらせてもらいました。

京劇には、凝った舞台セットがなく、ほぼ素舞台でやることがほとんどです。

素舞台というのは舞台上に何もなく、役者の演技や存在で世界や空気を作らなければなりません。

しかも、その公演では一番最初に登場する出順だったので「自分がこの舞台の空気をつくらなければならない」と思い、正直プレッシャーも感じました。

それを打破する助けになったのが、このメニューで培っていた感覚でした。

僕は元々、このメニューで本番の舞台に立つ感覚を掴んでいったのですが、このメニューもはじめのうちは空気をつくったり変えたり…ということはなかなか実感できなくて、自分なりにいろいろなやり方を試しながら続けていくうちに、舞台上での「居かた、立ちかた」や、そのために必要な意識の持ち方と集中のしかた、そういったものを学んでいっており、それらの感覚が、セットのない素舞台の上でもなんとかしっかりと“存在する” “世界を作る”助けになってくれました。


・メニューD

これは、具体的にどの公演でということはなく、本番全般でのことになります。

劇団の基礎コースでは、発声に繋げるためのストレッチを入念に行います。

一般的なストレッチよりも要求される事が細かく、なかなか思う通りにいかない事が多いため、試行錯誤を繰り返す事になります。

その試行錯誤が、僕にとっては、自分の身体について深く繊細に知っていく取っ掛かりになりました。

自分の身体を細かく感じられるようになると、何か動きをする時、例えばただ歩くという動きでも、役によっていくつものバリエーションを細かく使い分けられるようになっていきました。

柔軟性を求めるストレッチではないんですが、真剣に取り組んでいると身体が勝手に柔らかくなってくれて、動きの綺麗さが出てきた事もこの稽古のおかげだと思います。


以上、前回から引き続き、具体的に4つ例を挙げさせていただきました!

この日誌を書いて思うのは、何がどこで繋がるかわからない、ということです。

うちの稽古は特に、「これがこういう役に立つ」という具体的な稽古ばかりではありません。

もちろん様々な狙いはあるのですが、それよりも、一つ一つの稽古を、現状に満足せず、どこまでも追い求めていくことによって色んな事が身につき、予期せぬところで助けになってくれます。

そうして身についた力は、役者をやっていく上での財産になるので、これからも頑張っていきまーす!

ではまた!

2022年4月稽古場日誌

  • 快斗
  • 2022/07/30 (Sat) 11:08:18
どうも、快斗です。

最近の稽古場日誌では、本番公演について書く事が多かったですが、特に外部出演をさせて頂くと、普段稽古でやっていることが繋がったり、助けになったりということをより感じる事があります。

という訳で、今回は、普段している稽古で、このメニューがこんな風に本番で活きてきたという実例をいくつか書いていこうと思います。

具体的なメニュー名は入ってからのお楽しみなので(笑)、仮にABCDとしておきます。

・メニューA

うちの稽古でも1、2を争うハードな稽古です!

体力的にも物凄く削られるんですが、それ以上に精神力を試される稽古です。

本当にキツくてキツくて、できればやりたくない位なんですが(笑)、それでもやらなければならない。

やっている間、何度も心が折れそうになるんですが、それでも奮い立たせて向かっていかきゃいけない。

これって本番の稽古中の精神状態と全く同じなんです。

昨年外部出演させて頂いた公演で、身体表現と外国語と日本語のセリフを織り交ぜて、一本の作品を作る特殊な芝居がありました。

これまで経験したことのないタイプの芝居のように感じ、どう演じたらいいのか、迷いがありました。

稽古を繰り返していっても、なかなか着地点が見つからない。
本番がどんどん近づいて焦りも出てきて、精神的に追い詰められてくる。

それでもやらなきゃいけない。

挑み続けるなかで、やっと着地点が見えてきて、本番の舞台では、役として楽しむこともでき、お客様にも喜んでいただくことができました。

公演が終わってから振り返った時、乗り切ることができた根底にあったのは、普段の稽古を積み重ねてきた自信みたいなものだったのかもしれない、と思いました。

劇団「隕石のかけら」には、このメニューAに限らず、身体を限界まで酷使するなかで精神力も鍛えていくというメニューがいくつかあるのですが(゜ロ゜)、これらの稽古を積み重ねている意味が、実感として感じられた公演でした。


・メニューB

これは、劇団のどのコースでもやるメニューです。
身体の一部や全体でポーズを作り、客席に向かって見せるという感じの内容です。

ただポーズを作るだけではなく、それをきちんとお客さまに見せる意識でやります。

真っ正面にいる一人のお客さまに見せるのか、全客席に見せるのか、意識をどこに、どこまで飛ばすのか、広げるのか、という訓練でもあります。

割合最近出させてもらった公演なんですが、日によって劇場が変わって、客席数が倍近くちがう会場になる事もありました。

舞台や客席の広さは違うけど、芝居の内容はもちろん同じです。

その時に、演技を変えようとするのではなく、舞台の大きさに合わせて、届ける意識を変える事によって、自分を舞台にフィットさせる。

…という事を無意識にやっていたなと、後から気づいたのですが、それはこのメニューBでいつの間にか培っていた感覚でした。

このメニューBは入団以来ずっと行っている稽古なんですが、最初のうちは考えすぎてしまったりして苦戦した稽古でもありました。

でもずっと続けていく事によっていつの間にか無意識レベルに感覚を落とし込めていたため、本番の舞台で大きな助けになってくれました。

というわけで今回2つ例を挙げてみましたが、書き出してみると色々思い浮かんでまだまだ続きそうなので、今回はここまでで一旦締めます(笑)

また次回続きから書かせていただくので、乞うご期待!
ではでは。

外部出演情報

  • 制作部
  • 2022/06/26 (Sun) 07:10:00
このたび、劇団員の南部快斗が、下記の公演に外部出演することになりました。

◇作品名
『M.バタフライ』

◇主要キャスト
内野聖陽、岡本圭人、朝海ひかる、占部房子、三上市朗、みのすけ、藤谷理子

◇公演スケジュール
・東京公演
[日程]2022年6月24日(金)~7月10日(日)
[場所]新国立劇場 小劇場

・大阪公演
[日程]2022年7月13日(水)~15日(金)
[場所]梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

・福岡公演
[日程]2022年7月23日(土)~24日(日)
[場所]キャナルシティ劇場

・愛知公演
[日程]2022年7月30日(土)~31日(日)
[場所]ウインクあいち 大ホール

◇『M.バタフライ』公式サイト
https://www.umegei.com/m-butterfly/

2022年3月稽古場日誌

  • しょうこ
  • 2022/06/07 (Tue) 03:58:24
しょうこです。

稽古場日誌、長らく投稿しておらず、すみません!!

感染状況が少し落ち着き始めたこともあり、応募や入団が増えて慌ただしくなっていまして、うれしい悲鳴をあげております。

そんな訳で(?)、この稽古場日誌は、うちの劇団に興味をもってくださった方も見てくれるだろうという希望的観測をもとに、そういう皆さんに向けて書いてみました~。
(毎度のことながら、長文になりますこと、ご容赦ください)

劇団HPにも掲げているとおり、うちは、劇団としても役者としても、プロになること、そういう役者さんを育成することを目標としていますが、演劇をやりたいと思う人の全てがそれで食べていきたい!プロになりたい!と思うわけではなく、そうでないといけないということもモチロンありません。

うちには、いろんな気持ちで演劇をやりたいという方が来ます。

劇団「隕石のかけら」は、「演劇をやりたい」と思う気持ちを大切にしたいというのが代表の方針なので、うちに入ってくるメンバーは、演劇に対しての想いは人それぞれです。

そういったメンバーが一堂に会するのが、入団して最初に参加する基礎コース稽古です。

基礎コース稽古でめざしているのは、

“ 役者としての基盤を培うこと ”

です。

具体的には、

・どんな役も演じられるよう、自分の身体と扱い方を知っていく。

・舞台で通用する発声や、さまざまな役や場面に対応できる声の使い方を習得していく。

・役を演じるために必要な感覚や感性を鍛える。

…といったことをやっていきます。

よく、

「演技が上達したい」
「役者としてのスキルをつけたい(上げたい)」

…と聞きます。

ですが、そのための近道や簡単な方法は、たぶん、ありません。

劇団「隕石のかけら」では、役者をやっていくために、先ず心身を鍛えることが重要なことだと考えています。

うちの稽古メニューには、最初からすぐにできるものは少ないです。

そのなかで、人より早くできるようになるメニューがあったり、逆になかなかできないことがあったりします。

自分ができることとできないことを、きちんと知って、認めてあげる─というのは、実は役者をやっていく上でとても大切なことなんです。

“ できることは活かして伸ばしてあげる ”

“ できないことは焦らず、できることをめざして、きちんと努力をする ”

それを地道に続けていくことで、自分自身をよく知ることもでき、自信にもつながります。

それらは、自分の役者としての基盤になっていくはずです。

「演劇に向いているか、不安」
「才能があるか心配」

…という言葉もよく聞きます。

少し長く続けていくと、「自分は向いていないんじゃないか」「才能がないのかな」と考えてしまったりします。

向き不向きや才能も大事な要素だとはおもいますが、最も大切で、一番自分の力になるのは、

“ 演劇をやりたいという気持ち ”

です。

いきづまった時、自信がなくなった時、ドン底まで堕ちてしまった時、その気持ちが本物であれば、演劇をやりたい気持ちが支えになり、力になってくれます。

劇団「隕石のかけら」では、険しく困難でもある役者の道を歩いていけるように、うちの稽古を通して、心身を鍛え、磨き、自身の “ 演劇をやりたい気持ち”を試しながら、強靱なものにしていけることをめざしています。

個々のめざすところには関係なく、純粋に、ひとりひとりの“ 演劇をやりたい気持ち ”に真摯に向き合って、稽古をしたいと考えているので、うちに入ってくる皆さんも、安心して、挑んできてくれればと思います。

それでは、また~。

《追記》
2022年3月11日。
東日本大震災より11年を迎えました。

そして、2022年3月16日、昨年の2月に引き続き、最大震度6強の地震が福島県を中心とする地域を襲いました。

私たちが何度も演劇を届けている相馬市、南相馬市は、揺れや被害が最も大きい地域でした。

一昨年秋には、豪雨による被害、震災より10年を迎える直前の昨年2月にも大きな地震があり、度重なる災害と震度の強さで、今回は被害もだいぶ大きかったようです。

コロナ禍で心落ち着かない日々が続いている中で、日常の生活を取り戻そうとしていくこと、本当に大変なこととおもいます。

少しでも早く、安心して平穏に暮らせる日々が戻ってくることを心から祈ります。

2022年2月稽古場日誌

  • 大介
  • 2022/02/27 (Sun) 23:00:30
どうも大介です。

うちの劇団稽古は、3つとも体をいろいろな形で使うメニューが多いことは前にもお話しましたが、体を使うこと以外にも、大事にしていることがあります。

実際には、これも体を使うことの一種なんだと思いますが、具体的に見えたり聞こえたりしない部分を使うといいますか、感覚だったり、意識だったり、発想なんかを鍛えるといった稽古があります。

それは、舞台では目にみえる体の動きや耳で聞こえる声での表現だけでは足りない時があるからではないかと思います。

舞台ではいろいろな場面があって、それぞれのシーンに、そこにいる人物、その関係性、季節、場所、どんな状況や状態でそこにいるか、などの台本上の設定があります。

その設定をきちんとお客さまに伝えるためには、体の動きや声での表現だけでは足りなくて、例えば、季節なんかを表現しなくてはいけないとすると、動きや声の調子や衣装等でもわかるようにはできますが、肝心の演者がその季節の温度を感じていなかったら、ちぐはぐになってしまいます。

よく舞台では、実際に舞台上にいるのは一人だけど、周りには沢山の人がいる設定というのもあったりします。

演者はまずその沢山の人がいる感覚を持たなくてはいけませんが、その人達がただ行き交っているだけなのか、多く賑わっている状態なのかによって、感覚は変わってきます。

実際に人がいる場合でも、その関係性によって、場の雰囲気はちがうはずです。

そういった舞台上の設定を、舞台のセットや照明や音響効果の力を借りて、演者が全て表現しきった時に、ようやく舞台上に、そこに在るべき空気感が生まれます。

と書いていたら、もう数年前になりますが、肉体訓練メニューを始めた頃に説明されたことを思い出しました。

日常生活の中では、人は一人でいる時だったらその時の気分や考えていることによって、部屋の空気はちがうし、誰かといたら、相手や話の内容によって、場の空気はちがう。

これは、日常では自然に起きる現象だけど、役者は自分たちでそれを起こさなくてはいけない。

だから、空気を感じること、つくること、動かすことや、それにつながる訓練を稽古でしていくのだ…というような内容だったかと思います。

舞台は、元々は何もない空間です。

お客さまは、そこで繰り広げられるのが現実ではなく、創造された世界であることを充分にわかっています。

舞台上の世界を本物にするには、そこに、本物の空気感を生み出さなくてはいけないわけなんです。

ただ台本にあるセリフを言って、その感情を出し、決められた動きをするだけでは、本物の空気感は生まれてくれません。

それぞれの演者が「どこにいるのか」「寒いのか暑いのか」「いつなのか」「誰といるのか」等を自分の中にきちんと持ち、その状態で舞台に立ち、その人物として喋り動くことができて、ようやく、舞台上の空気感が本物になります。

と言うのは簡単ですが、なかなか難しいわけでして、空気や気配を感じたり、空気感を生み出すつくり出すというような稽古が、日曜稽古や毎回やる肉体訓練メニューの中に取り入れられているわけです。

自分は、台本をやる時はセリフや動き、役の心情の方に気がいきがちになってしまうのですが、今は、稽古でも台本をやることが多いので、役がいる場所とか誰とどういう状況でいるかといったことも考えて、周りを感じながら、その場の空気感をつくりだすことをもっとできるよう頑張っていきたいと思います。

ではではまた。

2022年1月稽古場日誌

  • 快斗
  • 2022/01/11 (Tue) 22:26:35
皆さま明けましておめでとうございます!

快斗です。

本年も、劇団「隕石のかけら」をよろしくお願いいたします(*^^*)

新年1発目の稽古場日誌ですが、この日誌を書いてる時点ではまだ劇団の稽古もお正月休みなので、前回の日誌でチラッと書いた新潮劇院さまの中国伝統芸能コラボレーション公演「鍾馗(しょうき)病魔を斬る」に出させていただいた時の客演レポートをさせていただきたいとおもいます!

実はこの鍾馗(しょうき)と言うのは中国の厄除けの神様で、お正月にはご利益を求めお詣りに行くような存在なので、ある意味新年1発目にふさわしいかもしれません。

さて、今回の公演ですが、〈中国伝統芸能コラボレーション公演〉と銘打ってある通り、今回は中国版歌舞伎ともいえる「京劇」だけにとどまらず、「中国雑技団」、一瞬で顔を取り換える「変面(変斂)」、さらにはモンゴルからも馬頭琴という楽器を弾きながら同時に2つ以上の声で唄いあげる「ホーミー」というそれぞれの芸能のプロフェッショナルの方々と共に日本人俳優も京劇とストレートプレイを織り交ぜながら参加するという、『お祭り』のような舞台でした。

鍾馗を題材にした演目は京劇の古典としてあるのですが、今回は古典をベースに様々な芸能とコラボしながら、なおかつ現代の状況も取り入れた作品になるよう新作舞台として生まれ変わらせるという、新潮劇院さまとしても非常に実験的で挑戦的な試みだったようです。

もちろん僕にとっても初めての事だらけで、普通に京劇をやるだけでも難しいのに、京劇のお芝居とストレートプレイというある意味両極のような芝居を1人の役で両方やらなければいけないという事にとても苦心しました。

ナチュラルにするのか、少し大げさなくらいがいいのか、それとも様式的にやった方がいいのか、どの方向で芝居をしていけばいいか分からず、また、新作・コラボなど初めてづくしの中で「道に迷った状態」となりました。

そんな迷子の状態を救ってくれたのは、「役者はどんな状況にも対応しなければいけない」という劇団主宰の信条のもと、どんな状況にも対応できるよう日々行ってきた稽古でした。

道に迷うと、何を頼りに進んでいけばいいのか、何を信じればいいかわからなくなるものですが、これまで積み重ねてきた稽古は自分にとって確かに信じられる方位磁石となり導いてくれました。

そのおかげもあり、本番では今までの中で一番落ち着いて演じられ、公演自体も観にきてくれた方々から「とても面白かった」と言っていただける舞台になりました。

お客様から頂いた感想にこんなものがありました。

「娘が小学校受験に失敗して幼稚園にも行かなくなっていたのですが、舞台を見ている時は笑いながら楽しそうに過ごして、帰り道にはこれからどうしたいか前を向いて話せるようになりました。」

前々回の日誌にも書きましたが、このコロナ禍の中お客さまに少しでも嫌なことを忘れていただけたらとの願いも込めて演じている我々にとって、この感想は大変励みになる嬉しいものでした。

まだまだ僕の力など微々たるものですが、そういう舞台に関われたことはこれからの礎になります。

2022年も日々稽古に励んで、皆さまに素敵な作品を届けられるよう頑張っていきます。それでは!

PS

今回の舞台は有料配信もしていますので、興味を持っていただいた方はぜひご覧ください!

生の舞台とはまた違う、映像ならではの面白さも楽しめます。
https://vimeo.com/ondemand/shincyozhongkui

2021年12月稽古場日誌

  • しょうこ
  • 2021/12/31 (Fri) 18:48:04
しょうこで~す!!

2021年もいよいよ年の瀬でございます。

2度目の緊急事態宣言から始まり、3月11日には東日本大震災から節目となる10年を迎え、感染が急拡大していくなかでのオリンピック、パラリンピック開催…と、今振り返ると、今年の始まりははるか前のようで、長い1年だったように思います。

劇団「隕石のかけら」に入って、本番舞台がひとつもない年は初めてでした。

ただ、ずっと駆け続けてきていたような気はするので、ここで少し立ち止まって、一人一人が役者としての自分について、じっくり考えることができたのはよかったのではないかと思います。

今年は、本番舞台だけではなく、合宿稽古もできず、本当に通常稽古一色の1年でした。

それでも、コロナ禍の中入団してくれたメンバーも、昔からいるメンバーも、劇団員一同、真摯に日々の稽古に励んできました。

来年こそは、舞台に立てますように…と願わずにはいられません。

そして、この1年。

感染拡大で心落ち着かない中で、心が荒みそうになりそうな事件も続きました。

まだ気を緩められない状況ではありますが、新しい年が訪れて、全ての方々が心穏やかに過ごせる日々がもどってくれることを心から祈ります。

それでは皆さま、よいお年をお迎えくださいませ。

2021年11月稽古場日誌

  • 大介
  • 2021/12/30 (Thu) 10:19:54
どうもどうも、大介です。

劇団の稽古では、毎回発声練習があります。

声はやはり役者にとって重要なものだからかと思います。

発声練習では自分の声を腹式呼吸で自然に出せるようにしていくのと、声量や滑舌などの訓練をします。

うちでは、時々それとは別に声を使った稽古もあります。

舞台では、舞台上の相手と会話をしつつ、客席にも届かせなくてはいけないのはもちろんですが、舞台袖の幕の中から声を出す場合もありますし、声を出しにくい、辛い体勢の時もあります。

会場の広さや響きなども考えなくてはいけないですし、単純に普通の会話の時でも、言葉自体は相手に届かせますが、それとは別の届け方で、お客さまの心にも響かせなくてはなりません。

舞台上では、基本的にお客さまから見やすい立ち位置をとるため、体は客席の方向にむいていることが多いです。

よって、話しかける相手は、自分の横や、場合によっては、自分よりも後ろの位置にいることもあります。

話しかける人数も1人だったり、自分以外の全員だったりします。

なので、例えば声を狙った所にピンポイントで届くように出したり、広げるように出したりできるように、袖の中から幕に遮られてもちゃんと聞こえるように…というような稽古をするわけです。

そういった声を使う稽古以外でも、肉体訓練メニューの時は皆でカウントをとりながらやりますし、他の稽古でも声を出しながら動くメニューがあるので、不安定な体の状態でもきちんと声を出す訓練にもなります。

劇団代表はよく役者を武士に例えて、「役者にとってのセリフや声は武士にとっての刀だ」と話します。

己の武器を日々丹念に手入れをして、それを使いこなす腕や技を磨き、いつでも戦いに臨めるようにしておかなければいけない。

もし武器がなければ、己自身の身体を使って、戦わなくてはいけない…。

そう考えると、役者と声との関係は、武士と刀の関係にとても似ていると思います。

どんな名刀を持っていても、手入れを怠れば錆びてしまい、宝の持ち腐れになってしまいます。

せっかく持って生まれた自分の声ですから、最良の武器になるよう、生かしてやらねばと思います。

自分にとっては、年内最後の稽古場日誌になります。

また来年お目にかかりましょう!

大介でした。

2021年10月稽古場日誌

  • 快斗
  • 2021/12/30 (Thu) 10:15:02
どーも、快斗です。

前回の稽古場日誌に書いた客演の舞台が終わったすぐあとに、新潮劇院さま主催の「日本京劇芸術祭」という舞台に出させていただきました。

京劇というのは中国の伝統芸能で、日本でいうところの歌舞伎のようなものなのですが、僕はその教室に通っており、今回はオムニバス形式で複数の京劇作品を上演した中の、短い作品ではありますが、その中の1本で主演を務めさせていただきました。

京劇には様々な伝統の衣装があるのですが、今回僕が着た衣装は厚底の靴を履いて、平安時代の十二単のような服を着て、さらに体に旗を何本も巻き付けるという、なんとも動きづらい衣装を初めてつけさせていただきました(笑)

京劇を教えてくださる先生が着ている時は大変さを感じさせず、派手に華麗に動き回るのですが、いざ自分が着てみるとめちゃくちゃ動きづらくて、少し回転するだけで遠心力で振り回され飛んでいきそうになったりと、ちょっと動くだけでもやっとの思いでした。

その衣装で立ち回りのお芝居をしなければいけなく、しかも今回は稽古日数が短く、正直とても不安でした。

そんな状態で劇場入りをしてゲネプロと呼ばれる衣装なども全てつけた本番同様のリハーサルをしたのですが、迷いや自信の無さがそのまま出てしまっていたらしく、先生からのダメ出しの時に「あなたは失敗がすぐわかる。

何でそんな風にやってるの?情けないね。」と言われました。

僕はゲネプロを段取りや動きと音が、合っているかの「確認」のつもりで行っていたのですが、後で考えるとそれは「確認」だから間違ってても仕方ありませんよ、という自分を守る気持ちが働いていたんだと思います。

稽古は本番同様に行わなければ、何が失敗や間違いかが見えてこないのに、そこを自分を守るためにごまかしていた自分のやり方を全部見透かしてそういうダメ出しをしてくれたんだと思います。

ただその時はそこまで思い至らず、自信をつけようと本番までの間に必死に練習しましたが、不安を拭い去る事ができないまま本番直前の、先生にメイクをしてもらう時間になりました。

その時に先生から「僕は好きな人には厳しい事を言うの!堂々と自信持ってやりなさい。舞台の上ではあなたのやってることが全部正解なの!1番大事なのは気持ちだよ。」という言葉を掛けていただきました。

その言葉のおかげで、ガチガチに緊張していた心がとても軽くなりました。

下手くそでも失敗しても、臆せず堂々と演じよう。

失敗を恐れず、自信を持って演技しよう。

そう思い切る事ができました。

先生の言葉のおかげで、少なくとも迷いを抱えた自分や怯えた自分を舞台の上に晒すことはなく本番を終える事ができました。

まだまだ腕は未熟ですが、本当に大切なこと、そして自分に足りていなかったものを見つけられた舞台にもなりました。

次回は、12月に同じ新潮劇院さまの公演「鍾馗(しょうき) 病魔を斬る」に出演させていただきます。

様々な伝統芸能の人達とコラボする舞台で、すでにドキドキしてますが、今回得たことを糧に、気持ちで負ける事がないよう闘ってきたいと思います。

それではまた!

2021年9月稽古場日誌

  • しょうこ
  • 2021/12/29 (Wed) 14:59:54
しょうこです。

基礎コース、肉体訓練、日曜稽古と3コマある劇団稽古の中で、新型コロナウィルス感染の影響で、一番稽古時間が短縮されたのは、日曜稽古ではないかと思います。

元々4時間あったところが、その前にある基礎コース稽古と稽古場所がちがうと移動もあったりで、半分の2時間も無い日もあったりします。

稽古時間が短くなったり、本番舞台がいつになるかわからなかったり、コロナ禍で大変なことは勿論ありますが、悪いことばかりではなかったりもするのです。

時間が限られていること、時には稽古する場もないことで、稽古に対する自分の気持ちが、密に、純粋になっている感があります。

コロナ禍になるまでは、毎年時期が来ると本番の舞台がありました。

不思議なもので、その本番舞台が具体的に見えていないからこそ、今のこの稽古を次の本番舞台に繋げなければという気持ちがおのずと湧くのです。

今は稽古しかない。

でも、その稽古は、いつか必ず来る本番の舞台と、その先の自分のためのものなのだという稽古本来の志に立ち返り、自分自身を省みることができている気がします。

“自分ができないことや苦手なことに、諦めず腐らず、純粋にできることをめざす”

稽古における、今の私の目標です。

目標なので、うまくいかないこともあります。

今はまだ次の本番がいつになるのか見えない状況ではありますが、まだまだ自分を省みつつ、少しでも先へ進んでいきたいとおもいます。

ではでは、また~。