皆さま明けましておめでとうございます!
快斗です。
本年も、劇団「隕石のかけら」をよろしくお願いいたします(*^^*)
新年1発目の稽古場日誌ですが、この日誌を書いてる時点ではまだ劇団の稽古もお正月休みなので、前回の日誌でチラッと書いた新潮劇院さまの中国伝統芸能コラボレーション公演「鍾馗(しょうき)病魔を斬る」に出させていただいた時の客演レポートをさせていただきたいとおもいます!
実はこの鍾馗(しょうき)と言うのは中国の厄除けの神様で、お正月にはご利益を求めお詣りに行くような存在なので、ある意味新年1発目にふさわしいかもしれません。
さて、今回の公演ですが、〈中国伝統芸能コラボレーション公演〉と銘打ってある通り、今回は中国版歌舞伎ともいえる「京劇」だけにとどまらず、「中国雑技団」、一瞬で顔を取り換える「変面(変斂)」、さらにはモンゴルからも馬頭琴という楽器を弾きながら同時に2つ以上の声で唄いあげる「ホーミー」というそれぞれの芸能のプロフェッショナルの方々と共に日本人俳優も京劇とストレートプレイを織り交ぜながら参加するという、『お祭り』のような舞台でした。
鍾馗を題材にした演目は京劇の古典としてあるのですが、今回は古典をベースに様々な芸能とコラボしながら、なおかつ現代の状況も取り入れた作品になるよう新作舞台として生まれ変わらせるという、新潮劇院さまとしても非常に実験的で挑戦的な試みだったようです。
もちろん僕にとっても初めての事だらけで、普通に京劇をやるだけでも難しいのに、京劇のお芝居とストレートプレイというある意味両極のような芝居を1人の役で両方やらなければいけないという事にとても苦心しました。
ナチュラルにするのか、少し大げさなくらいがいいのか、それとも様式的にやった方がいいのか、どの方向で芝居をしていけばいいか分からず、また、新作・コラボなど初めてづくしの中で「道に迷った状態」となりました。
そんな迷子の状態を救ってくれたのは、「役者はどんな状況にも対応しなければいけない」という劇団主宰の信条のもと、どんな状況にも対応できるよう日々行ってきた稽古でした。
道に迷うと、何を頼りに進んでいけばいいのか、何を信じればいいかわからなくなるものですが、これまで積み重ねてきた稽古は自分にとって確かに信じられる方位磁石となり導いてくれました。
そのおかげもあり、本番では今までの中で一番落ち着いて演じられ、公演自体も観にきてくれた方々から「とても面白かった」と言っていただける舞台になりました。
お客様から頂いた感想にこんなものがありました。
「娘が小学校受験に失敗して幼稚園にも行かなくなっていたのですが、舞台を見ている時は笑いながら楽しそうに過ごして、帰り道にはこれからどうしたいか前を向いて話せるようになりました。」
前々回の日誌にも書きましたが、このコロナ禍の中お客さまに少しでも嫌なことを忘れていただけたらとの願いも込めて演じている我々にとって、この感想は大変励みになる嬉しいものでした。
まだまだ僕の力など微々たるものですが、そういう舞台に関われたことはこれからの礎になります。
2022年も日々稽古に励んで、皆さまに素敵な作品を届けられるよう頑張っていきます。それでは!
PS
今回の舞台は有料配信もしていますので、興味を持っていただいた方はぜひご覧ください!
生の舞台とはまた違う、映像ならではの面白さも楽しめます。
https://vimeo.com/ondemand/shincyozhongkui